「血脈」を読む

佐藤愛子著『血脈』を読了。文春文庫、上中下の三巻、1巻あたり600~700頁の大河小説。小説家・佐藤紅緑を父、女優・三笠万里子を母にもち、詩人・サトウーハチローを兄に、その他の兄姉、甥っ子、自分の夫はじめ配偶者たちの物語。内容は、「ここまで書くか」と、ビックリするほどの登場人物の乱暴狼藉を悪口の限りを尽くして描写。例えば、異母兄のひとりが、出張先の旅館からニセ電報をうって金を無心、お金を届けた使いの者が見たのは芸者と遊びほうけている姿。

夫の借金地獄を肩代わりして苦労する愛子。離婚後も夫は、留守中に納税用の預金通帳から全額引き出し、愛子は税金を納めるのに四苦八苦する。そして、愛子は『それでもこの世は悪くなかった』文春新書、と上梓。

血脈の上下2巻は、古本屋で購入、中と「それでもこの世は・・・」は図書館で借りた。その「中」があまりにもくたびれていたので、書店で新刊「中」を買って、返却とあわせて図書館へ寄付した。面白い本とめぐりあえた感謝の気持ちなり。

哲日記,読書

Posted by ttetsu